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かみいしづ古民家再生プロジェクト

古民家再生プロジェクトは,岐阜県大垣市上石津町にて茅葺き民家の改修とその後の活用,田舎暮らし体験を行うために様々な活動をしています!

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他地域に学ぶ その1

榎本です。

今回は,茅葺き民家の再生や保存を行っている地域を訪ね,
活動内容や茅葺き屋根の修理などについて調査した際の報告です。

第1回目の今回は,兵庫県丹波市青垣町の東芦田地区です。
2007年6月3日に,現地訪問を行い,お話を伺いました。

地域住民と様々な協力者の力を集めて再生を行い,
有形文化財としても登録されている貴重な茅葺き民家があります。
民家の前にある石垣も併せて,文化財登録されているそうです。

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↑集落で一番高い場所に立地する「茅葺き民家」。


この民家は,立地から考えて集落の有力者が住んでいたと思われ,
しかも二階建て家屋の上に茅葺き屋根が乗っているという
少し変わった茅葺き民家だということです。
一般的な茅葺き民家は,一階と屋根裏で構成されており,
二階部分がない構造になっているようです。

この民家の茅葺き屋根は激しく傷み,雨漏りもあったことから,
2007年5月半ばから修復作業が開始されました。
屋根裏から外が見えるほどの屋根の傷みだったそうです。
作業は職人さんと地元の方のお手伝いで行われ,
6月下旬には全ての作業を終え,無事終了しました。
使った茅は,およそ3000束だということです。
(1束は,おおよそ周囲50cm程度の茅の束です)
作業の経緯は,東芦田のHPに掲載されていますので,
そちらをご覧ください。(記事の最後に載せてあります)

DSCF6622.jpg
















↑非常に痛みの激しい屋根。表面に植物が生えてきています。


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↑葺き替えが順次終わり,屋根がきれいに生まれ変わっています。


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↑材料の茅は,リフトを使って運んでいるそうです。


以前は,どこの集落もそれぞれの茅場(茅を採取する場所)を持っており,
年間を通して管理を行いながら,必要な茅を配分していたそうですが,
現在は茅葺き屋根の民家が減ったこともあって,茅場の管理が
行われなくなってしまったということです。
茅葺き屋根を修復するためには,専門の業者から買う必要があり,
その費用が非常に高くなってしまうというのが現状です。

茅の管理はそれほど厳密ではないそうで,雨や雪を避けておけば,
放置しておくだけで問題ないということでした。
水気を抜くために縦にして保管する必要はあるそうです。
東芦田では,軒下に立てかけて保管してありました。

DSCF6631.jpg
















↑茅は軒下に保管されています。


また,茅葺き民家の保存,活用のために地元の方々が協力して
様々な活動を行っているという話も伺いました。
茅葺き民家の目の前にある蓮の池では,夏の終わりに向けて
夜間照明を使ったライトアップのイベントが準備されていました。
蓮の池でザリガニ釣りをする地元の子供たちの姿も見られました。

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↑多くの方の協力によって,この活動は成り立っているようです。


DSCF6623.jpg












↑茅葺き民家からは集落が一望できます。


今後,これらの活動の他にも,茅葺き民家でカフェを経営するなど
この先の活動もどんどん行われていくようです。
調査に伺った日も,期間限定のカフェがオープンしていました。

DSCF6646.jpg
















↑カフェGENTEN。正式オープンが楽しみです。


東芦田では,地元の方が茅葺き民家を「地域の宝」として守り,
これからも活用していこうという思いがよく伝わってきました。
茅葺き民家の修復作業をドキュメンタリーとしてまとめているそうで,
映像作品の公開も,近々行われるということでした。
茅葺き屋根の修復には,様々な苦労が伴うことがわかりましたが,
それでもやはり守っていきたい大切な日本の文化であるということも
同時に強く思うのでした。


丹波東芦田ホームページはこちら。
ブログ右のメニューからもアクセスできます。
http://higashiashida.com/index.htm


当時の記事はこちら。

◆農村計画学研究室 近況報告◆
民家屋根葺き替え作業 見学in青垣 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-06-04


書き込み:榎本

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緑の村公園の現地調査

榎本です。
今回も,これまでの活動についてのお話です。
 
今回は,古民家がある「緑の村公園」の現地調査についてです。
活動を始めるまでは,自分も全く訪れたことがなかったのですが,
これから古民家再生プロジェクトを始めるにあたって,
「緑の村公園」がどのような施設なのかを知ることが
まずは必要ではないかと考えました。
さて,「緑の村公園」とはどのような公園なのでしょうか。 

まず,最初の現地調査は2007年4月9日でした。
この時は,まだ古民家の様子を見ることだけ考えていたため,
公園内を見て回ることはありませんでした。
古民家(民俗資料館)はほとんど使われることがないため,
足場などの痛みが激しく,改修の必要があるとのことでした。


  
















↑民俗資料館の内部。ほとんど使われていませんでした。 


この日は,緑の村公園のほか,上石津町郷土資料館を訪れました。
ここでは,上石津町の昔の暮らしについての資料などを見せて頂き,
古民家の生活を再現するための情報を仕入れることができました。

DSCF6250.jpg












↑郷土資料館の内部。当時の貴重な資料がたくさんありました。


そして,次の調査は2007年5月28日に行いました。
この日は,緑の村公園の敷地内を歩いて回ることにしました。

DSCF6557.jpg
















↑古民家を遠目から見るとこのようになります。


公園内には,思いの外たくさんの施設や設備があり,
特徴的なものでは,登り窯や炭焼き小屋,全天候型ドーム,
しいたけ園,学習用里山林などがみられました。

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↑全天候型ドーム。この他にテニスコートもあります。


DSCF6570.jpg












↑炭焼き小屋。ひっそりとした場所にあります。


この調査で気付いたのは,緑の村公園には多くの施設があるものの,
それを十分認知してもらえていないのではないかという事です。
せっかくこれだけの施設があるわけですから,
古民家再生プロジェクトの中でも何かの形で使っていきたいと思い,
活動で積極的な利用をしていくことを考え始めました。

その後,地元で活動されている団体の代表の方とお話をし,
上石津町を盛り上げるための活動が既に行われていることを知ります。
古民家再生プロジェクトも,個別に活動を行うのではなく,
地元の方々との接点を多く作っていきたいと思います。

そして,話はもう少し進んで2007年6月18日にも調査を行いました。
前回の調査で,緑の村公園の広さがよく分かったのですが,
肝心の施設までの経路や,施設自体の場所が分かりにくく,
来訪者に十分利用されていないのではないかと考えたためです。

公園内の看板を点検した結果,デザインがまちまち(作った時期でしょうか)で
統一感がないため看板自体が探しにくいという問題点のほか,
老朽化して文字が読み取れないものや,隠れて見えないものなど,
看板としての機能を果たしていないものも見られました。
これらの問題解決を古民家再生プロジェクトとして行うわけではないですが,
よりよく公園を利用してもらいたいという思いにつながりました。

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↑民俗資料館の看板。このデザインが最新のようです。


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↑景観に配慮した看板。景色と一体化しすぎて探しにくいです。


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↑公園全体の案内図。上の2つとはかなりデザインが異なります。


このほかにも,活動の中で何度か現地調査を行いましたが,
緑の村公園が持つ施設や設備を来訪者に十分利用してもらえていない,
また施設や設備を必要とする人たちに公園の存在が認知されていない,
といった問題点が浮き彫りになってきました。

古民家(民俗資料館)は,緑の村公園の一つのシンボルであり,
上石津町にとっても非常に貴重な建物の一つです。
この古民家を活動の場として多くの人に集まってもらうことで,
緑の村公園の魅力を伝えていくことができれば,と
今後の活動について考えることとなりました。

当時の記事はこちら。

◆農村計画学研究室 近況報告◆
上石津調査第二回 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-05-31
第3回目上石津調査 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-06-19


書き込み:榎本

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体験活動発案のきっかけ

またまた榎本です。
今回は,緑の村公園で体験活動を行うきっかけになった
他地域での活動についてご紹介します。


2006年の冬から,古民家を修理する話を聞いていた私は,
滋賀県立大学の学生と地域の方々によって行われている
「とよさと快蔵プロジェクト」のイベントに参加しました。
この活動では,建築学に携わる学生の団体が中心となって,
地域に残る古い蔵を修理して,更に活用までしているのです。

2006年12月3日には,蔵の土間(玄関部分にある土の床)の修復,
2007年1月13日には,壁に漆喰を塗る作業に参加しました。
どちらも初体験ながら楽しんで行うことができ,
これなら上石津でも出来るのではないかという感触を得ました。

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↑土間打ちイベント「たたけドマ」の様子。

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↑「たたけドマ」終了後の様子。

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↑漆喰塗りのイベントの様子。


どちらのイベントも,普段からの学生と地域の方々の協力と,
イベントに向けての綿密な準備があってこそのものです。
上石津でも,地域の方々との協力によって活動が行えたら
どんなに楽しいだろうと,今後に思いを馳せました。

また,「とよさと快蔵プロジェクト」では,この物件以外にも,
いくつもの蔵を修理して,実際に活用を行っているのです。
イベント後に打ち上げをしたBar「タルタルーガ」も,
学生によって活用が図られているとても画期的な取り組みです。


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↑学生が修理後に運営も行うBar「タルタルーガ」。


こんな素敵な活動を続けている「とよさと快蔵プロジェクト」の
ホームページはこちらです。
◆とよさと快蔵プロジェクト◆
http://toyotoyo.wablog.com/


この活動に出会って,上石津でのその後の活動を考える
大きなパワーを得ることができたのは言うまでもありません。


当時の記事はこちら。

◆農村計画学研究室 近況報告◆
とよさと快蔵プロジェクト [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2006-12-06
とよさと快蔵 漆喰塗り [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-01-31


書き込み:榎本

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プロジェクトの始まり

古民家再生プロジェクトの榎本です。 

これからしばらくは,これまで行われた活動についてのご紹介を
中心に記事を書いていきたいと思います。
今回は,プロジェクトが始まった頃のお話です。

 かみいしづ緑の村公園にある古民家の修復についての話が
大垣市役所の職員さんの口から出たのは,2006年の冬頃でした。 
当初は,大垣市役所で古民家の修理やその後の活用をするので
その取り組みを卒業論文の研究対象にしないかという話でしたが,
そのまま話が発展して,学生を中心とした活動団体を作り,
その活動の場として修理と活用を行うようになりました。 

ひとまず「学生代表」としての立場に立った私は,
学生団体が活動を行うイベントへ参加してみたり,
周りの学生から意見をもらいながら内容を詰めていました。 


そして,2007年の2月に初めて緑の村公園へ向かったのです。 

かみいしづ緑の村公園は,上石津町にある行政が管理する施設で,
古民家は「民俗資料展示館」として公園内に立地しています。
以前は,上石津町内で民家として利用されていたのですが,
所有者が亡くなったことがきっかけとなり,
地元有志の方々によって公園内に移築されました。

  












↑移築された「民俗資料展示館」の外観。 

上石津町内には,露出した茅葺き屋根の民家は存在せず,
この「民俗資料展示館」(以下,資料館)は貴重な建物です。
現在は,ほとんど利用されることがなくなっており,
建物の足場や茅葺き屋根の老朽化が酷くなっています。


  
















↑老朽化した資料館の床下。 

とは言え,資料館の中にあるかまどや囲炉裏,水回りなど,
現在のままでも問題なく使えるものも多くあります。
資料館の修理をしながら,昔の暮らし体験を行い,
継続的なイベントを行っていくことも可能です。

  
















↑資料館のかまど(おくどさん)。 

そして,この資料館は上石津町のごく普通の農家住宅で,
地域の生活を体験する場所としてとても都合が良いのです。
しかし,決して粗末な民家というわけではなく,
資料館の内側から見える梁は太くてとても立派です。

 

 
















↑家を支えてくれる梁。どっしりとした重みを感じます。 



というわけで,2007年2月26日に訪れた緑の村公園にて,
今後の活動を行うための試行錯誤が始まったのでした。
当時の記事はこちら。

 ◆農村計画学研究室 近況報告◆ かみいしづ緑の村公園 [活動報告] 
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-02-26 

書き込み:榎本

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