他地域に学ぶ その1
2008.05.22 |Category …活動報告
榎本です。
今回は,茅葺き民家の再生や保存を行っている地域を訪ね,
活動内容や茅葺き屋根の修理などについて調査した際の報告です。
第1回目の今回は,兵庫県丹波市青垣町の東芦田地区です。
2007年6月3日に,現地訪問を行い,お話を伺いました。
地域住民と様々な協力者の力を集めて再生を行い,
有形文化財としても登録されている貴重な茅葺き民家があります。
民家の前にある石垣も併せて,文化財登録されているそうです。

↑集落で一番高い場所に立地する「茅葺き民家」。
この民家は,立地から考えて集落の有力者が住んでいたと思われ,
しかも二階建て家屋の上に茅葺き屋根が乗っているという
少し変わった茅葺き民家だということです。
一般的な茅葺き民家は,一階と屋根裏で構成されており,
二階部分がない構造になっているようです。
この民家の茅葺き屋根は激しく傷み,雨漏りもあったことから,
2007年5月半ばから修復作業が開始されました。
屋根裏から外が見えるほどの屋根の傷みだったそうです。
作業は職人さんと地元の方のお手伝いで行われ,
6月下旬には全ての作業を終え,無事終了しました。
使った茅は,およそ3000束だということです。
(1束は,おおよそ周囲50cm程度の茅の束です)
作業の経緯は,東芦田のHPに掲載されていますので,
そちらをご覧ください。(記事の最後に載せてあります)

↑非常に痛みの激しい屋根。表面に植物が生えてきています。

↑葺き替えが順次終わり,屋根がきれいに生まれ変わっています。

↑材料の茅は,リフトを使って運んでいるそうです。
以前は,どこの集落もそれぞれの茅場(茅を採取する場所)を持っており,
年間を通して管理を行いながら,必要な茅を配分していたそうですが,
現在は茅葺き屋根の民家が減ったこともあって,茅場の管理が
行われなくなってしまったということです。
茅葺き屋根を修復するためには,専門の業者から買う必要があり,
その費用が非常に高くなってしまうというのが現状です。
茅の管理はそれほど厳密ではないそうで,雨や雪を避けておけば,
放置しておくだけで問題ないということでした。
水気を抜くために縦にして保管する必要はあるそうです。
東芦田では,軒下に立てかけて保管してありました。

↑茅は軒下に保管されています。
また,茅葺き民家の保存,活用のために地元の方々が協力して
様々な活動を行っているという話も伺いました。
茅葺き民家の目の前にある蓮の池では,夏の終わりに向けて
夜間照明を使ったライトアップのイベントが準備されていました。
蓮の池でザリガニ釣りをする地元の子供たちの姿も見られました。

↑多くの方の協力によって,この活動は成り立っているようです。

↑茅葺き民家からは集落が一望できます。
今後,これらの活動の他にも,茅葺き民家でカフェを経営するなど
この先の活動もどんどん行われていくようです。
調査に伺った日も,期間限定のカフェがオープンしていました。

↑カフェGENTEN。正式オープンが楽しみです。
東芦田では,地元の方が茅葺き民家を「地域の宝」として守り,
これからも活用していこうという思いがよく伝わってきました。
茅葺き民家の修復作業をドキュメンタリーとしてまとめているそうで,
映像作品の公開も,近々行われるということでした。
茅葺き屋根の修復には,様々な苦労が伴うことがわかりましたが,
それでもやはり守っていきたい大切な日本の文化であるということも
同時に強く思うのでした。
丹波東芦田ホームページはこちら。
ブログ右のメニューからもアクセスできます。
http://higashiashida.com/index.htm
当時の記事はこちら。
◆農村計画学研究室 近況報告◆
民家屋根葺き替え作業 見学in青垣 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-06-04
書き込み:榎本
今回は,茅葺き民家の再生や保存を行っている地域を訪ね,
活動内容や茅葺き屋根の修理などについて調査した際の報告です。
第1回目の今回は,兵庫県丹波市青垣町の東芦田地区です。
2007年6月3日に,現地訪問を行い,お話を伺いました。
地域住民と様々な協力者の力を集めて再生を行い,
有形文化財としても登録されている貴重な茅葺き民家があります。
民家の前にある石垣も併せて,文化財登録されているそうです。
↑集落で一番高い場所に立地する「茅葺き民家」。
この民家は,立地から考えて集落の有力者が住んでいたと思われ,
しかも二階建て家屋の上に茅葺き屋根が乗っているという
少し変わった茅葺き民家だということです。
一般的な茅葺き民家は,一階と屋根裏で構成されており,
二階部分がない構造になっているようです。
この民家の茅葺き屋根は激しく傷み,雨漏りもあったことから,
2007年5月半ばから修復作業が開始されました。
屋根裏から外が見えるほどの屋根の傷みだったそうです。
作業は職人さんと地元の方のお手伝いで行われ,
6月下旬には全ての作業を終え,無事終了しました。
使った茅は,およそ3000束だということです。
(1束は,おおよそ周囲50cm程度の茅の束です)
作業の経緯は,東芦田のHPに掲載されていますので,
そちらをご覧ください。(記事の最後に載せてあります)
↑非常に痛みの激しい屋根。表面に植物が生えてきています。
↑葺き替えが順次終わり,屋根がきれいに生まれ変わっています。
↑材料の茅は,リフトを使って運んでいるそうです。
以前は,どこの集落もそれぞれの茅場(茅を採取する場所)を持っており,
年間を通して管理を行いながら,必要な茅を配分していたそうですが,
現在は茅葺き屋根の民家が減ったこともあって,茅場の管理が
行われなくなってしまったということです。
茅葺き屋根を修復するためには,専門の業者から買う必要があり,
その費用が非常に高くなってしまうというのが現状です。
茅の管理はそれほど厳密ではないそうで,雨や雪を避けておけば,
放置しておくだけで問題ないということでした。
水気を抜くために縦にして保管する必要はあるそうです。
東芦田では,軒下に立てかけて保管してありました。
↑茅は軒下に保管されています。
また,茅葺き民家の保存,活用のために地元の方々が協力して
様々な活動を行っているという話も伺いました。
茅葺き民家の目の前にある蓮の池では,夏の終わりに向けて
夜間照明を使ったライトアップのイベントが準備されていました。
蓮の池でザリガニ釣りをする地元の子供たちの姿も見られました。
↑多くの方の協力によって,この活動は成り立っているようです。
↑茅葺き民家からは集落が一望できます。
今後,これらの活動の他にも,茅葺き民家でカフェを経営するなど
この先の活動もどんどん行われていくようです。
調査に伺った日も,期間限定のカフェがオープンしていました。
↑カフェGENTEN。正式オープンが楽しみです。
東芦田では,地元の方が茅葺き民家を「地域の宝」として守り,
これからも活用していこうという思いがよく伝わってきました。
茅葺き民家の修復作業をドキュメンタリーとしてまとめているそうで,
映像作品の公開も,近々行われるということでした。
茅葺き屋根の修復には,様々な苦労が伴うことがわかりましたが,
それでもやはり守っていきたい大切な日本の文化であるということも
同時に強く思うのでした。
丹波東芦田ホームページはこちら。
ブログ右のメニューからもアクセスできます。
http://higashiashida.com/index.htm
当時の記事はこちら。
◆農村計画学研究室 近況報告◆
民家屋根葺き替え作業 見学in青垣 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2007-06-04
書き込み:榎本
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