塚原遺跡公園の竪穴式住居
2008.09.03 |Category …活動報告
榎本です。
2007年度最後の報告は,関市の塚原遺跡公園への見学です。
2008年3月11日,塚原遺跡公園に復元された竪穴式住居の
屋根葺き替え作業を見学してきました。
塚原遺跡公園は,百年公園の近くにある工場敷地に囲まれて
ひっそりと佇む遺跡を復元した公園です。

↑塚原遺跡公園の入口。竪穴式住居が2棟あります。
この竪穴式住居,縄文時代にあったとされる場所に復元されていますが,
その屋根の葺き方が茅葺きと同じ手法だという話を聞き,見学に来ました。
葺き替え作業をされているのは,ミニチュアモデルの講師をして下さった
荘川の茅葺き職人さんとそのお弟子さんです。

↑今回葺き替えている住居のうち大きい方です。

↑小さい方は,ほぼ円形をしています。
日本全国で縄文時代の竪穴式住居は復元されていますが,
ここでは屋根を葺くときに仕上げの刈り込みをしていません。
それは,縄文時代には鋭利な鉄製の道具がなかったため,
現代のように屋根を刈り込めなかったと考えられているためです。
このような手法で屋根を葺いている竪穴式住居は,
ここ以外にも全国にいくつかあるようです。

↑ギザギサの屋根。これでも水は流れ落ちていくそうです。
中にもこだわりがあり,使っている材料はほとんどが当時手に入るものばかり。
住居の構造である木材を固定するのも,つる性植物の枝などを使っています。

↑自然から手に入る材料で作られた住居内部。
公園の隅には,地元のシルバーの方々と子供たちが一緒に作った
竪穴式住居のミニチュア版がありました。
屋根葺きの材料は稲わらのみを使用しているとのことで,
耐久性に劣る分,毎年の材料集めが簡単という話でした。

↑ミニチュア竪穴式住居。これでも3畳くらいの広さはあります!
今回は,初めて見る職人さんの道具がありました。
その名も「開き針」。職人さん自らが考え出した道具です。
茅葺き職人さんは,自分たちの道具を使いやすいように自作したり,
カスタマイズしたものを作ってもらったりしています。
どうやらこの開き針,他の地域にもあるようなのですが,
職人さんはこのことを全く知りませんでした。
どこかで職人さん同士の思いが繋がっているのでしょうか。

↑自ら道具を作るのが,茅葺き職人の常識です。
上石津の古民家が出来るよりも遙か昔から存在した竪穴式住居にも,
当時の人々の知恵や生き方が深く染み込んでいることが分かり,
ますます茅葺き民家に寄せる思いを強くした一日だったのでした。
いずれ,ミニチュア版竪穴式住居も作ってみたいと思います。
書き込み:榎本
2007年度最後の報告は,関市の塚原遺跡公園への見学です。
2008年3月11日,塚原遺跡公園に復元された竪穴式住居の
屋根葺き替え作業を見学してきました。
塚原遺跡公園は,百年公園の近くにある工場敷地に囲まれて
ひっそりと佇む遺跡を復元した公園です。
↑塚原遺跡公園の入口。竪穴式住居が2棟あります。
この竪穴式住居,縄文時代にあったとされる場所に復元されていますが,
その屋根の葺き方が茅葺きと同じ手法だという話を聞き,見学に来ました。
葺き替え作業をされているのは,ミニチュアモデルの講師をして下さった
荘川の茅葺き職人さんとそのお弟子さんです。
↑今回葺き替えている住居のうち大きい方です。
↑小さい方は,ほぼ円形をしています。
日本全国で縄文時代の竪穴式住居は復元されていますが,
ここでは屋根を葺くときに仕上げの刈り込みをしていません。
それは,縄文時代には鋭利な鉄製の道具がなかったため,
現代のように屋根を刈り込めなかったと考えられているためです。
このような手法で屋根を葺いている竪穴式住居は,
ここ以外にも全国にいくつかあるようです。
↑ギザギサの屋根。これでも水は流れ落ちていくそうです。
中にもこだわりがあり,使っている材料はほとんどが当時手に入るものばかり。
住居の構造である木材を固定するのも,つる性植物の枝などを使っています。
↑自然から手に入る材料で作られた住居内部。
公園の隅には,地元のシルバーの方々と子供たちが一緒に作った
竪穴式住居のミニチュア版がありました。
屋根葺きの材料は稲わらのみを使用しているとのことで,
耐久性に劣る分,毎年の材料集めが簡単という話でした。
↑ミニチュア竪穴式住居。これでも3畳くらいの広さはあります!
今回は,初めて見る職人さんの道具がありました。
その名も「開き針」。職人さん自らが考え出した道具です。
茅葺き職人さんは,自分たちの道具を使いやすいように自作したり,
カスタマイズしたものを作ってもらったりしています。
どうやらこの開き針,他の地域にもあるようなのですが,
職人さんはこのことを全く知りませんでした。
どこかで職人さん同士の思いが繋がっているのでしょうか。
↑自ら道具を作るのが,茅葺き職人の常識です。
上石津の古民家が出来るよりも遙か昔から存在した竪穴式住居にも,
当時の人々の知恵や生き方が深く染み込んでいることが分かり,
ますます茅葺き民家に寄せる思いを強くした一日だったのでした。
いずれ,ミニチュア版竪穴式住居も作ってみたいと思います。
書き込み:榎本
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