差し茅で茅葺き屋根の修理~その2
2008.09.26 |Category …活動報告
榎本です。
今回は,差し茅イベントの二日目の内容についてご紹介します。
一日目は雨が降って作業がなかなかはかどりませんでしたが,
この日は気持ち良く晴れて,絶好の作業日和となりました。

↑今日が初めての参加者もいるので,まずはご挨拶。
昨日は,屋根の一番低い部分になる軒先の線を揃えたので,
次は屋根のてっぺんまでの角度を調整していきます。
先が少し曲がった茅葺き職人ならではの剪定ばさみを使って,
飛び出した茅を切り揃え,屋根の角度を作っていきます。
これも最後まで屋根の角度を決める重要なものになるので,
気を緩めないように慎重に作業を進めていきます。

↑初めてのはさみは重くてとても扱いにくいです。
角度が決まったら,屋根の上に向かって昨日と同じ作業を続けていきます。
抜いては差し,抜いては差しの繰り返しです。
古い茅でも丈夫そうなものは完全に抜ききらずにその場所で再利用することで,
修理に使う茅の量を少しでも減らせるのが差し茅の良いところです。
新しい茅に葺き替えられた部分は,30~40cmくらいの幅ごとに
わら縄で簡単に縛って固定していきます。

↑作業しづらい所は,開き針を使ってこじ開けます。
ある程度上まで作業が進んだら,押さえ竹で茅の真ん中より少し上を押さえます。
このとき,古い竹がそのまま使えれば茅と同じく再利用しますが,
民俗資料館の屋根は押さえ竹が露出している部分も非常に多く,
場合によっては新しい押さえ竹と交換する必要がありました。

↑ミニチュアづくりでもお馴染みの“針”を使った作業です。
押さえ竹を固定するのは,強度の問題で針金を使いますが,
昔の人たちはわら縄を使って固定していました。
昔の人でも,今のような使いやすい針金があれば恐らく使っていただろう,
とは職人さんたちのお話です。余談ですが・・・。
そして,針を使った作業には,やはり裏方の針受け役が必要です。

↑屋根の表側に戻る針金に手を縛られないように注意!
このイベントでは,滋賀県立大学で古民家再生と活用の活動を行っている
男鬼(おおり)楽座の学生さんたちも参加してくださいました。
こちらから男鬼楽座のイベントへ参加させてもらったこともあり,
今後それぞれの活動の中で交流が図れる形を作っていきたいです。

↑滋賀県立大はじめ多くの方に参加して頂きました。

↑昨日よりは減りましたが,地元の方にも手伝って頂きました。
そして,作業は仕上げにうつっていきます。まずははさみでの刈り込み。
さらに全体をならすために“がぎ”を使って叩き固めていきます。

↑低い位置での作業は,意外と疲れるものです。

↑斜め下から叩き上げるようにして固めていきます。
最後は,軒先を揃える作業。これがかなりの重労働でした。
はさみが重い上に普段慣れない股ごしの動きなので,
この日で一番体力を使った作業になりました。

↑はさみの重さとススキの堅さに完敗です。
刈り揃えたあとは,更に軒先を綺麗にするために長板で叩きます。

↑この位置からの作業は,慣れが必要そうです。
二日間に渡る茅葺き屋根の修復作業でしたが,参加者全員怪我もなく
無事にイベントを終えることができました。
作業が終わったあとで屋根を見ると,葺き替えた部分が分かるほどに
屋根が若々しい色合いになっていたことにとても感動しました。

↑修復後の民俗資料館。途中から色が変わっています。
今回のイベントでは,全体の数分の一しか屋根の修復はできませんでしたが,
今後も緑の村公園と大垣市の職員さん,そして地域の方々と一緒になって
この古民家を再生,活用していくことができればと考えています。
このイベントにご参加,ご協力いただいたみなさん,
本当にありがとうございました!!

↑作業終了後に,集合写真を一枚♪
今回イベントに参加して頂いた滋賀県立大学男鬼楽座の活動は
以下のホームページをご覧ください。
http://www.shc.usp.ac.jp/hamazaki/oori.html
書き込み:榎本
今回は,差し茅イベントの二日目の内容についてご紹介します。
一日目は雨が降って作業がなかなかはかどりませんでしたが,
この日は気持ち良く晴れて,絶好の作業日和となりました。
↑今日が初めての参加者もいるので,まずはご挨拶。
昨日は,屋根の一番低い部分になる軒先の線を揃えたので,
次は屋根のてっぺんまでの角度を調整していきます。
先が少し曲がった茅葺き職人ならではの剪定ばさみを使って,
飛び出した茅を切り揃え,屋根の角度を作っていきます。
これも最後まで屋根の角度を決める重要なものになるので,
気を緩めないように慎重に作業を進めていきます。
↑初めてのはさみは重くてとても扱いにくいです。
角度が決まったら,屋根の上に向かって昨日と同じ作業を続けていきます。
抜いては差し,抜いては差しの繰り返しです。
古い茅でも丈夫そうなものは完全に抜ききらずにその場所で再利用することで,
修理に使う茅の量を少しでも減らせるのが差し茅の良いところです。
新しい茅に葺き替えられた部分は,30~40cmくらいの幅ごとに
わら縄で簡単に縛って固定していきます。
↑作業しづらい所は,開き針を使ってこじ開けます。
ある程度上まで作業が進んだら,押さえ竹で茅の真ん中より少し上を押さえます。
このとき,古い竹がそのまま使えれば茅と同じく再利用しますが,
民俗資料館の屋根は押さえ竹が露出している部分も非常に多く,
場合によっては新しい押さえ竹と交換する必要がありました。
↑ミニチュアづくりでもお馴染みの“針”を使った作業です。
押さえ竹を固定するのは,強度の問題で針金を使いますが,
昔の人たちはわら縄を使って固定していました。
昔の人でも,今のような使いやすい針金があれば恐らく使っていただろう,
とは職人さんたちのお話です。余談ですが・・・。
そして,針を使った作業には,やはり裏方の針受け役が必要です。
↑屋根の表側に戻る針金に手を縛られないように注意!
このイベントでは,滋賀県立大学で古民家再生と活用の活動を行っている
男鬼(おおり)楽座の学生さんたちも参加してくださいました。
こちらから男鬼楽座のイベントへ参加させてもらったこともあり,
今後それぞれの活動の中で交流が図れる形を作っていきたいです。
↑滋賀県立大はじめ多くの方に参加して頂きました。
↑昨日よりは減りましたが,地元の方にも手伝って頂きました。
そして,作業は仕上げにうつっていきます。まずははさみでの刈り込み。
さらに全体をならすために“がぎ”を使って叩き固めていきます。
↑低い位置での作業は,意外と疲れるものです。
↑斜め下から叩き上げるようにして固めていきます。
最後は,軒先を揃える作業。これがかなりの重労働でした。
はさみが重い上に普段慣れない股ごしの動きなので,
この日で一番体力を使った作業になりました。
↑はさみの重さとススキの堅さに完敗です。
刈り揃えたあとは,更に軒先を綺麗にするために長板で叩きます。
↑この位置からの作業は,慣れが必要そうです。
二日間に渡る茅葺き屋根の修復作業でしたが,参加者全員怪我もなく
無事にイベントを終えることができました。
作業が終わったあとで屋根を見ると,葺き替えた部分が分かるほどに
屋根が若々しい色合いになっていたことにとても感動しました。
↑修復後の民俗資料館。途中から色が変わっています。
今回のイベントでは,全体の数分の一しか屋根の修復はできませんでしたが,
今後も緑の村公園と大垣市の職員さん,そして地域の方々と一緒になって
この古民家を再生,活用していくことができればと考えています。
このイベントにご参加,ご協力いただいたみなさん,
本当にありがとうございました!!
↑作業終了後に,集合写真を一枚♪
今回イベントに参加して頂いた滋賀県立大学男鬼楽座の活動は
以下のホームページをご覧ください。
http://www.shc.usp.ac.jp/hamazaki/oori.html
書き込み:榎本
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