機織り体験イベント
2008.10.03 |Category …活動報告
榎本です。
今回は,機織り体験イベントについてのご紹介です。
このイベントは,2008年6月29日・30日に行いました。
今回のイベントでは,緑の村公園民俗資料館の隣にある
シルクの里工房という公園内の施設を使用しました。
シルクの里工房は,岐阜県産シルクのブランド化を目指して
蚕糸業の拠点として設置された施設です。
工房内には,2台の機織り機や染色の設備などもあり,
今回はこの設備をお借りしてイベントを行いました。
イベントの講師は,上石津にお住まいの三宅先生です。
糸紡ぎから染色まで全てご自分で作業をされ,
その糸を使って作品を作っておられる方です。
参加者は,スタッフ2名,一般参加者1名で,
設備の都合上,スタッフ1名と一般参加者が作業を体験しました。
まずは,今回制作する作品を決めます。
今回は,二人ともマフラーを作ることにしました。
そして,次にマフラーの幅と長さを決めます。
マフラーの大きさが決まったら,それに合わせて経糸を取ります。
経糸(たていと)は,一度長さと本数を決めると変更が難しいので,
この時点でしっかりと計画を立てておくことが重要です。
全て同じ色の経糸の場合は一色,何色かを組み合わせる場合は
好きな配色で交互に経糸を取っていきます。
経糸は,専用の糸取り機を使ってどんどん掛けていきます。

↑掛け方に注意しつつ,必要な経糸を取っていきます。
必要な分だけ経糸が取れたら,次は経糸が交差してい場所を紐で縛ります。
これを“綾”と言い,この後の作業にとって非常に重要な意味を持ちます。
綾を取ったら,糸取り機から経糸を外して次の作業に移ります。

↑綾が取られた状態の経糸。綺麗です。
次は,上の写真にもある“筬(おさ)”という道具に経糸を通していきます。
通常は,機織り機に筬を設置した状態で経糸を通すようなのですが,
今回は秘密兵器!の登場で,とても楽々と作業を行えました。
その秘密兵器!というのが,この道具です。

↑綾を崩さず,しかも機織り機から離れて作業できます。
この秘密兵器に手伝ってもらって,筬に経糸を通していきます。
筬の中心部から左右に同じ幅の穴に経糸を通していきます。
写真の右奥にある金属製の道具が筬通しです。
この道具を使うと,経糸を筬に通しやすくなります。
経糸を準備する一連の作業を“整経”と呼びます。

↑中央から同じ本数だけ経糸が通りました。
ここまで準備が出来たら,ようやく機織り機での作業に移ります。
筬に通した経糸を綜絖(そうこう)線に通していきます。
この時,経糸の順番が入れ違わないように注意しながら通します。
綜絖線が掛かった綜絖板を二種類使い分けることで,
経糸を上下半分ずつに分けて,その間を緯糸(よこいと)が通るように
編み込んでいくことができるようになります。

↑経糸の片側を機織り機に固定して,準備完了です。
次は,緯糸の準備です。
経糸の色に合わせて,緯糸の色を選んでいきます。
経糸は機織り機に固定されているため変更は容易ではないですが,
緯糸はいつでも継ぎ足しや糸の変更ができるので,
作業しながらマフラーの模様などを作り上げることができます。

↑先生が手に持っているのが緯糸を通すための杼(ひ)です。
マフラーの制作途中でどうも緯糸の色がしっくりこなかったので,
この写真で使っていた濃いめのグレーを使うのをやめて,
薄い緑色の糸で機織りを再開しました。
一度織ってしまうとほどくのは手間がかかりますが,
経糸ではないので比較的短時間で作業を再開できました。

↑せっかくなので,スタッフの藤田さんにも体験してもらいました。
このあとの作業は,延々と最後まで緯糸を通して機織りをするのみ。
足下にあるペダルを踏むと,決まった綜絖板が持ち上がるので,
必要な綜絖板を上げる,間に杼を通す,綜絖板を下げる,筬を手前に引く,
の一連の動作で緯糸が一本分織られることになります。
とても根気のいる地道な作業ですが,ペダルを踏む音,
杼が左右に転がる音,筬を引いた時の音がとても心地よく,
ガチャン,ガチャンという単調なメロディーが心を癒します。

↑2日目には,公園の職員さんが見学に来られました。
そして,二日間の作業を終えて,二人とも無事にマフラーが完成!
先生からも初めてとは思えない出来映えとお褒めの言葉を頂きました。
最終チェックとして,ほつれているところがないか確認をして,
マフラーの両端がほどけないように結んで完成です。

↑両端は結んでおしゃれに仕上げましょう♪

↑2mのマフラーが完成しました!!
何だか気が付けば完成していた!という感じではありましたが,
昔の人が日常生活の中で行っていた機織りという作業の工程を
最初から最後まで体験することができたのは大収穫でした。
そして,自分が時間をかけて作ったマフラーに対する愛着は,
お店で買ったブランドものにも負けないものだということも
この作業を通して実感することができました。
機織り体験は,時間や人数の都合で今回参加できなかった
参加者もいるので,また改めて開催したいイベントです。
書き込み:榎本
今回は,機織り体験イベントについてのご紹介です。
このイベントは,2008年6月29日・30日に行いました。
今回のイベントでは,緑の村公園民俗資料館の隣にある
シルクの里工房という公園内の施設を使用しました。
シルクの里工房は,岐阜県産シルクのブランド化を目指して
蚕糸業の拠点として設置された施設です。
工房内には,2台の機織り機や染色の設備などもあり,
今回はこの設備をお借りしてイベントを行いました。
イベントの講師は,上石津にお住まいの三宅先生です。
糸紡ぎから染色まで全てご自分で作業をされ,
その糸を使って作品を作っておられる方です。
参加者は,スタッフ2名,一般参加者1名で,
設備の都合上,スタッフ1名と一般参加者が作業を体験しました。
まずは,今回制作する作品を決めます。
今回は,二人ともマフラーを作ることにしました。
そして,次にマフラーの幅と長さを決めます。
マフラーの大きさが決まったら,それに合わせて経糸を取ります。
経糸(たていと)は,一度長さと本数を決めると変更が難しいので,
この時点でしっかりと計画を立てておくことが重要です。
全て同じ色の経糸の場合は一色,何色かを組み合わせる場合は
好きな配色で交互に経糸を取っていきます。
経糸は,専用の糸取り機を使ってどんどん掛けていきます。
↑掛け方に注意しつつ,必要な経糸を取っていきます。
必要な分だけ経糸が取れたら,次は経糸が交差してい場所を紐で縛ります。
これを“綾”と言い,この後の作業にとって非常に重要な意味を持ちます。
綾を取ったら,糸取り機から経糸を外して次の作業に移ります。
↑綾が取られた状態の経糸。綺麗です。
次は,上の写真にもある“筬(おさ)”という道具に経糸を通していきます。
通常は,機織り機に筬を設置した状態で経糸を通すようなのですが,
今回は秘密兵器!の登場で,とても楽々と作業を行えました。
その秘密兵器!というのが,この道具です。
↑綾を崩さず,しかも機織り機から離れて作業できます。
この秘密兵器に手伝ってもらって,筬に経糸を通していきます。
筬の中心部から左右に同じ幅の穴に経糸を通していきます。
写真の右奥にある金属製の道具が筬通しです。
この道具を使うと,経糸を筬に通しやすくなります。
経糸を準備する一連の作業を“整経”と呼びます。
↑中央から同じ本数だけ経糸が通りました。
ここまで準備が出来たら,ようやく機織り機での作業に移ります。
筬に通した経糸を綜絖(そうこう)線に通していきます。
この時,経糸の順番が入れ違わないように注意しながら通します。
綜絖線が掛かった綜絖板を二種類使い分けることで,
経糸を上下半分ずつに分けて,その間を緯糸(よこいと)が通るように
編み込んでいくことができるようになります。
↑経糸の片側を機織り機に固定して,準備完了です。
次は,緯糸の準備です。
経糸の色に合わせて,緯糸の色を選んでいきます。
経糸は機織り機に固定されているため変更は容易ではないですが,
緯糸はいつでも継ぎ足しや糸の変更ができるので,
作業しながらマフラーの模様などを作り上げることができます。
↑先生が手に持っているのが緯糸を通すための杼(ひ)です。
マフラーの制作途中でどうも緯糸の色がしっくりこなかったので,
この写真で使っていた濃いめのグレーを使うのをやめて,
薄い緑色の糸で機織りを再開しました。
一度織ってしまうとほどくのは手間がかかりますが,
経糸ではないので比較的短時間で作業を再開できました。
↑せっかくなので,スタッフの藤田さんにも体験してもらいました。
このあとの作業は,延々と最後まで緯糸を通して機織りをするのみ。
足下にあるペダルを踏むと,決まった綜絖板が持ち上がるので,
必要な綜絖板を上げる,間に杼を通す,綜絖板を下げる,筬を手前に引く,
の一連の動作で緯糸が一本分織られることになります。
とても根気のいる地道な作業ですが,ペダルを踏む音,
杼が左右に転がる音,筬を引いた時の音がとても心地よく,
ガチャン,ガチャンという単調なメロディーが心を癒します。
↑2日目には,公園の職員さんが見学に来られました。
そして,二日間の作業を終えて,二人とも無事にマフラーが完成!
先生からも初めてとは思えない出来映えとお褒めの言葉を頂きました。
最終チェックとして,ほつれているところがないか確認をして,
マフラーの両端がほどけないように結んで完成です。
↑両端は結んでおしゃれに仕上げましょう♪
↑2mのマフラーが完成しました!!
何だか気が付けば完成していた!という感じではありましたが,
昔の人が日常生活の中で行っていた機織りという作業の工程を
最初から最後まで体験することができたのは大収穫でした。
そして,自分が時間をかけて作ったマフラーに対する愛着は,
お店で買ったブランドものにも負けないものだということも
この作業を通して実感することができました。
機織り体験は,時間や人数の都合で今回参加できなかった
参加者もいるので,また改めて開催したいイベントです。
書き込み:榎本
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●Thanks Comments
すてきなマフラー!
いいですね!お久しぶりです、榎本くん。
元気ですか?
茅葺き屋根やったり、 こういった手作りの編み物したり、なかなかいい仕事、いい体験してますね!
今度会ったらいろいろ教えてもらわなきゃな。
気づけば10月、もうあっという間に今年も過ぎ去ってしまいそうです。
風邪をひかないようにがんばってください!
初コメントありがとう!
久し振り!
古民家再生プロジェクトのブログに初めてコメントをいただけて,とても嬉しいです。
今月末には,修理が終わっていない屋根の葺き替えです。
だんだん寒くなってきて,外の作業も厳しいけど,
作業の中に楽しみを見付けつつ頑張りたいと思います。
そっちもこれから寒くなって大変だろうけど,
お互いに楽しみながら頑張りましょう!
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