茅葺き屋根ミニチュアモデル作り
2008.08.31 |Category …活動報告
榎本です。
今回は,2008年1月26日に開催したミニチュアモデル作りの報告です。
実物の茅葺き屋根を修復するのは,暫く先になるとのことで,
その前に茅葺き屋根の構造について知っておきたいという思いと
緑の村公園を訪れた方に茅葺き屋根を知ってもらいたいという思いから,
今回のミニチュアモデル作りを行うことになりました。
まずは,足場を組んで作業の準備です。
去年の12月に刈り取った茅(ススキ)を運び,
使いやすい長さに切り揃えます。

↑今回作業を行うミニチュアモデルは,120cm×180cmの屋根です。
切り揃えた茅を,屋根の端から順番に並べていきます。
このとき,屋根の勾配が一定の角度を保つよう,
茅の並べ方や長さの調整が重要になってきます。

↑まずは屋根の端に茅を並べ,屋根の勾配を決める「軒付け」をします。
今回のイベントは,スタッフも含め作業従事者が6名いたため,
茅を葺く作業をしない参加者は,「とっくり結び」と「男結び」を覚えます。
この結び方を使って,わらなわで茅を押さえて結びます。

↑みんなで「男結び」を練習しています。みんな,覚えたかな?
茅が一列並べられたら,上から竹で茅を押さえつけます。
この時,竹を結ぶわらなわを屋根の裏側に通して表に戻すのですが,
茅の厚みがあるため,手ではわらなわを裏側に通すことができません。
職人さんは,「針」というミシン針のような道具でわらなわを通し,
まるで屋根に茅を縫い付けるような作業を行っているのです。

↑取り敢えず,男結びの完成。強く縛るには修行が必要です。

↑「針」を使って屋根にわらなわを刺しているところです。
屋根裏では,屋根の構造材にしっかりわらなわが密着するよう,
うまく表側に指示を出して針を誘導しなければいけません。
このチームワークがあってこそ,作業が円滑に進むのです。

↑見にくいですが,手の少し左に針の先が出て来ています。
次は,表に戻ってきたわらなわで竹を結び,茅を押さえつけていきます。
ここでようやく,先ほど覚えた「男結び」が活躍するのです。
「とっくり結び」でしっかりと竹を押さえつけ,「男結び」で固定します。
参加者のみんなはしっかり「男結び」を覚えてくれましたが,
強く結ぶには,かなりの練習が必要になってくるそうです。

↑茅が落ちないよう,角度が変わらないようにしっかり押さえます。
次は,先端がぼさぼさの茅を「がぎ」という道具で叩き揃えていきます。
これは,屋根を流れる水がしっかりと下へ下へ落ちていくようにです。
叩きすぎて奥に入った茅は,手で引っ張り出して叩き揃え直します。

↑かなりしっかり叩いてもまだまだ入るくらいです。
そして,叩き揃えた茅の先端を,屋根用の剪定ばさみで刈り揃えます。
普通のはさみと違い,先端が少しだけ上に反り返っています。
屋根の内部を刈ってしまわないよう,屋根の勾配が作れるようにです。

↑職人さんの刈り込み速度は,真似できません。
出来上がったミニチュアモデルは,民俗資料館内部に運んで終了。
非常に寒く過酷な環境でのイベントではありましたが,
終始笑いが絶えず,屋根作りに没頭して楽しんでくれた参加者のみなさま,
丁寧に作業の方法や意味などを教えてくださった職人さん,
このような体験の場を提供してくださった大垣市役所のみなさん,
そしてイベントの様子を見に来てくださった地元の方々,
みなさんの協力あってこそのイベントだったと思います。ありがとうございました!


↑当日は,かまどを使っての炊き出しと餅つきも行いました。
過去の記事はこちら。
◆農村計画学研究室 近況報告◆
茅葺き屋根ミニチュアモデル作成 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2008-02-01
書き込み:榎本
今回は,2008年1月26日に開催したミニチュアモデル作りの報告です。
実物の茅葺き屋根を修復するのは,暫く先になるとのことで,
その前に茅葺き屋根の構造について知っておきたいという思いと
緑の村公園を訪れた方に茅葺き屋根を知ってもらいたいという思いから,
今回のミニチュアモデル作りを行うことになりました。
まずは,足場を組んで作業の準備です。
去年の12月に刈り取った茅(ススキ)を運び,
使いやすい長さに切り揃えます。
↑今回作業を行うミニチュアモデルは,120cm×180cmの屋根です。
切り揃えた茅を,屋根の端から順番に並べていきます。
このとき,屋根の勾配が一定の角度を保つよう,
茅の並べ方や長さの調整が重要になってきます。
↑まずは屋根の端に茅を並べ,屋根の勾配を決める「軒付け」をします。
今回のイベントは,スタッフも含め作業従事者が6名いたため,
茅を葺く作業をしない参加者は,「とっくり結び」と「男結び」を覚えます。
この結び方を使って,わらなわで茅を押さえて結びます。
↑みんなで「男結び」を練習しています。みんな,覚えたかな?
茅が一列並べられたら,上から竹で茅を押さえつけます。
この時,竹を結ぶわらなわを屋根の裏側に通して表に戻すのですが,
茅の厚みがあるため,手ではわらなわを裏側に通すことができません。
職人さんは,「針」というミシン針のような道具でわらなわを通し,
まるで屋根に茅を縫い付けるような作業を行っているのです。
↑取り敢えず,男結びの完成。強く縛るには修行が必要です。
↑「針」を使って屋根にわらなわを刺しているところです。
屋根裏では,屋根の構造材にしっかりわらなわが密着するよう,
うまく表側に指示を出して針を誘導しなければいけません。
このチームワークがあってこそ,作業が円滑に進むのです。
↑見にくいですが,手の少し左に針の先が出て来ています。
次は,表に戻ってきたわらなわで竹を結び,茅を押さえつけていきます。
ここでようやく,先ほど覚えた「男結び」が活躍するのです。
「とっくり結び」でしっかりと竹を押さえつけ,「男結び」で固定します。
参加者のみんなはしっかり「男結び」を覚えてくれましたが,
強く結ぶには,かなりの練習が必要になってくるそうです。
↑茅が落ちないよう,角度が変わらないようにしっかり押さえます。
次は,先端がぼさぼさの茅を「がぎ」という道具で叩き揃えていきます。
これは,屋根を流れる水がしっかりと下へ下へ落ちていくようにです。
叩きすぎて奥に入った茅は,手で引っ張り出して叩き揃え直します。
↑かなりしっかり叩いてもまだまだ入るくらいです。
そして,叩き揃えた茅の先端を,屋根用の剪定ばさみで刈り揃えます。
普通のはさみと違い,先端が少しだけ上に反り返っています。
屋根の内部を刈ってしまわないよう,屋根の勾配が作れるようにです。
↑職人さんの刈り込み速度は,真似できません。
出来上がったミニチュアモデルは,民俗資料館内部に運んで終了。
非常に寒く過酷な環境でのイベントではありましたが,
終始笑いが絶えず,屋根作りに没頭して楽しんでくれた参加者のみなさま,
丁寧に作業の方法や意味などを教えてくださった職人さん,
このような体験の場を提供してくださった大垣市役所のみなさん,
そしてイベントの様子を見に来てくださった地元の方々,
みなさんの協力あってこそのイベントだったと思います。ありがとうございました!
↑当日は,かまどを使っての炊き出しと餅つきも行いました。
過去の記事はこちら。
◆農村計画学研究室 近況報告◆
茅葺き屋根ミニチュアモデル作成 [活動報告]
http://ruplan.blog.so-net.ne.jp/2008-02-01
書き込み:榎本
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