差し茅で茅葺き屋根の修理~その1
2008.09.25 |Category …活動報告
榎本です。
今回は,待ちに待った古民家再生プロジェクトの一大イベント,
差し茅による茅葺き屋根の修復作業です。
イベントは,2008年5月31日・6月1日に行いました。
今回は,両日でスタッフ2名,緑の村公園・大垣市の職員さん8名,
一般参加者14名,地域の方約20名が参加しました。
今回の講師は,茅葺き屋根のミニチュア作りでお世話になった
荘川の茅葺き職人さん,杉山さんとお弟子さんの太田さんです。

↑まずは,今日の作業について説明です。
9月に行った茅刈りのあと,休耕田で乾かしておいたススキが
軽トラに乗ってどんどん古民家に集まってきます。
さっそく茅の束を荷台から降ろして作業しやすいように並べます。
まだ湿っている茅が混ざっていたので,より分けます。

↑人数が多いので,作業が早く進みます。

↑茅束の中からサワガニが出て来ました!
湿った茅をより分け,茅束の長さを揃えたら,次は切り揃え。
ススキの穂の部分と茎の部分とに切り分けていきます。
茅束は,押切という道具で切っていきます。
少しずつ茅束を押し回しながら切り込みを入れていきます。

↑コツがつかめないうちは大苦戦!
下で茅束の切り揃え班が頑張っている間に,
差し茅部隊は屋根に上がって作業の準備です。
屋根の状態を見てみると,かなり痛んでいるのが分かります。
茅を押さえる竹が表面に露出してきています。
これは,早く修理してあげないと大変。
屋根の内側まで水が染み込んできて,家全体が傷んでしまいます。

↑茅が土に戻って,植物まで生えてきています。
さて,それでは作業開始。
古くなった茅を抜き取って,空いた隙間に新しい茅を差していきます。
これが言葉で聞くと簡単ですが,やってみるととても難しい。
古くなった茅は土に戻って屋根の中身がスカスカなので,
抜き取った茅よりもたくさん差してやる必要があります。
奥の方が空洞になっている場合は,ススキの穂先で穴埋め。
この繰り返しで,古い茅をどんどん交換していきます。

↑屋根の修理としては最も簡単な方法です。
ちなみに,古い茅を抜き取るときに使う道具が長板。
呼び名はまちまちですが,作業したい場所をめくり上げられます。
この時,竹の真上でめくり上げると,竹が折れることがあります。
差し込む場所を注意して選びつつ,作業を進めていきます。

↑めくり上げると,屋根の中の状態もよく分かります。
作業は,屋根の下から上に向かって順に進めていきます。
民俗資料館の屋根は相当傷んでいたので,ほとんど新しい茅ですが,
定期的に差し茅を行っている民家では,古い茅も使えるものは再利用し,
その作業の繰り返しだけで数十年もたせているものもあるそうです。

↑差し茅をした部分は,若々しい色をしています。
手の空いた人は,このあとの作業で必要になる男結びの練習。
屋根の上に登っていくための足場を作るときや,
茅を押さえるための竹を結ぶときに必要になる結び方です。

↑なかなか結び方が覚えられなくて苦戦中!
この日は,大垣市の広報担当の方が取材に来られました。
まだまだ広くは知れ渡っていないこのプロジェクトですが,
この広報をきっかけに少しでも広がって欲しいものです。

↑広報担当の方も,茅葺き屋根に興味津々でした。
そして,出来上がった部分から順に出っ張った茅を叩き揃えていきます。
屋根の角を職人さんが担当して全体の屋根の出を調整しているので,
角に合わせて屋根全体のラインを調整していきます。
このラインが屋根全体の基準となるため,調整は非常に重要です。

↑叩きすぎたら手で引っ張り出してまた叩き直します。
この日は,朝から空模様が悪く心配していた通り,お昼から雨が降り始めました。
急遽作業を中止して,茅が濡れないように古民家の軒下や木の陰などに
非難させる作業に追われる場面などもありましたが,何とか作業は続けられました。
そして,夕方からは地元のおばちゃんたちが作ってくださった猪鍋で
今日の作業に関わったみなさんとの交流会が開かれました。
これからの古民家の修理や活用方法,地元の昔話などなど
遅くまで盛り上がり素晴らしい時間となりました。

↑一日目の作業が終了!お疲れ様でした。
明日も続けて参加するみなさんは,古民家に宿泊です。
遅くまで,研究やお仕事の話などについて熱く語りました。
囲炉裏を囲むという場の雰囲気のお陰なのでしょう。

↑古民家が持つ独特の雰囲気のなせる技です!
明日の作業に向けて,眠りにつくのでした。
~つづく~
書き込み:榎本
今回は,待ちに待った古民家再生プロジェクトの一大イベント,
差し茅による茅葺き屋根の修復作業です。
イベントは,2008年5月31日・6月1日に行いました。
今回は,両日でスタッフ2名,緑の村公園・大垣市の職員さん8名,
一般参加者14名,地域の方約20名が参加しました。
今回の講師は,茅葺き屋根のミニチュア作りでお世話になった
荘川の茅葺き職人さん,杉山さんとお弟子さんの太田さんです。
↑まずは,今日の作業について説明です。
9月に行った茅刈りのあと,休耕田で乾かしておいたススキが
軽トラに乗ってどんどん古民家に集まってきます。
さっそく茅の束を荷台から降ろして作業しやすいように並べます。
まだ湿っている茅が混ざっていたので,より分けます。
↑人数が多いので,作業が早く進みます。
↑茅束の中からサワガニが出て来ました!
湿った茅をより分け,茅束の長さを揃えたら,次は切り揃え。
ススキの穂の部分と茎の部分とに切り分けていきます。
茅束は,押切という道具で切っていきます。
少しずつ茅束を押し回しながら切り込みを入れていきます。
↑コツがつかめないうちは大苦戦!
下で茅束の切り揃え班が頑張っている間に,
差し茅部隊は屋根に上がって作業の準備です。
屋根の状態を見てみると,かなり痛んでいるのが分かります。
茅を押さえる竹が表面に露出してきています。
これは,早く修理してあげないと大変。
屋根の内側まで水が染み込んできて,家全体が傷んでしまいます。
↑茅が土に戻って,植物まで生えてきています。
さて,それでは作業開始。
古くなった茅を抜き取って,空いた隙間に新しい茅を差していきます。
これが言葉で聞くと簡単ですが,やってみるととても難しい。
古くなった茅は土に戻って屋根の中身がスカスカなので,
抜き取った茅よりもたくさん差してやる必要があります。
奥の方が空洞になっている場合は,ススキの穂先で穴埋め。
この繰り返しで,古い茅をどんどん交換していきます。
↑屋根の修理としては最も簡単な方法です。
ちなみに,古い茅を抜き取るときに使う道具が長板。
呼び名はまちまちですが,作業したい場所をめくり上げられます。
この時,竹の真上でめくり上げると,竹が折れることがあります。
差し込む場所を注意して選びつつ,作業を進めていきます。
↑めくり上げると,屋根の中の状態もよく分かります。
作業は,屋根の下から上に向かって順に進めていきます。
民俗資料館の屋根は相当傷んでいたので,ほとんど新しい茅ですが,
定期的に差し茅を行っている民家では,古い茅も使えるものは再利用し,
その作業の繰り返しだけで数十年もたせているものもあるそうです。
↑差し茅をした部分は,若々しい色をしています。
手の空いた人は,このあとの作業で必要になる男結びの練習。
屋根の上に登っていくための足場を作るときや,
茅を押さえるための竹を結ぶときに必要になる結び方です。
↑なかなか結び方が覚えられなくて苦戦中!
この日は,大垣市の広報担当の方が取材に来られました。
まだまだ広くは知れ渡っていないこのプロジェクトですが,
この広報をきっかけに少しでも広がって欲しいものです。
↑広報担当の方も,茅葺き屋根に興味津々でした。
そして,出来上がった部分から順に出っ張った茅を叩き揃えていきます。
屋根の角を職人さんが担当して全体の屋根の出を調整しているので,
角に合わせて屋根全体のラインを調整していきます。
このラインが屋根全体の基準となるため,調整は非常に重要です。
↑叩きすぎたら手で引っ張り出してまた叩き直します。
この日は,朝から空模様が悪く心配していた通り,お昼から雨が降り始めました。
急遽作業を中止して,茅が濡れないように古民家の軒下や木の陰などに
非難させる作業に追われる場面などもありましたが,何とか作業は続けられました。
そして,夕方からは地元のおばちゃんたちが作ってくださった猪鍋で
今日の作業に関わったみなさんとの交流会が開かれました。
これからの古民家の修理や活用方法,地元の昔話などなど
遅くまで盛り上がり素晴らしい時間となりました。
↑一日目の作業が終了!お疲れ様でした。
明日も続けて参加するみなさんは,古民家に宿泊です。
遅くまで,研究やお仕事の話などについて熱く語りました。
囲炉裏を囲むという場の雰囲気のお陰なのでしょう。
↑古民家が持つ独特の雰囲気のなせる技です!
明日の作業に向けて,眠りにつくのでした。
~つづく~
書き込み:榎本
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