中学生と茅刈り体験
2009.05.31 |Category …活動報告
少し報告が遅れました。
2009年5月20日に茅刈り体験を行いました。
今回は,中学生と一緒に茅刈りをやりました。
大垣市の興文中学校での校外学習プログラムを
一部担当することになったのです。
午前中の2時間という短い時間の中で
上石津の昔の暮らし体験をするということで,
いつもお世話になっている杉山さんを講師としてお呼びして
茅刈りを行うことになりました。
この日は太陽の光が気持ちよすぎるくらいで,
少し茅刈りには向かないお天気でした。
参加者は,中学生30名と先生,スタッフとして4名,
そして講師で茅葺き職人さんの杉山さんでした。
まず,緑の村公園の民俗資料館の見学です。
茅について,屋根について,民俗資料館についてなど
様々な説明が行われました。
また,以前作成した屋根のミニチュアモデルを使って
屋根の断面やどうして屋根に水が浸みないのかなど
茅葺き民家についての説明が行われました。
↑民俗資料館について説明しています。
↑職人さんのお話を熱心に聞いています。
↑何のメモを取っているのかな?
そして,いよいよ茅場に移動して茅刈りです。
通常,茅刈りは雪が降る前の12月頃に行われます。
この時期のススキはすでに青い葉っぱが生い茂っていて
屋根材には使えません。
しかし,できるだけ青い葉っぱを取り除いて,
熱い中,一生懸命に刈りました。
↑職人さんに教えてもらいながら・・・
↑茂みの中で頑張ってます!
↑なかなかきつく結べないな~
↑ススキの上下がわかるかな?
↑刈り取った茅を軽トラに乗せました。
鎌を初めて持つという生徒さんや,
草刈りをやったことがない生徒さんもたくさんいましたが,
慣れてくると楽しく茅刈りができました。
自分の得意な作業を選び,分担して,
最後には手際よく刈っていくことができました。
今回の体験を通して,
この日刈り取った茅の量では,まだ屋根のほんの一部であること,
茅場の管理の大切さや大変さ,
茅葺き屋根である意味など
様々なことを学ぶことができたのではないかと思います。
茅刈りをしている中で生まれた発見や疑問などを
自分なりに考えたり,調べてくれていたら嬉しいなと思います。
刈った茅は公園内に保管して,この日の作業は終わりました。
↑茅の保管方法について聞きました。
最後に,以前作った秘密基地の前を通ると,
とても楽しそうに中に入ったり,眺めたりしていました。
↑秘密基地の中で。
今度は,もう少しゆったりと時間が取れたら
秘密基地作りや屋根葺きなどがしたいですね。
生徒さんたちには
来年もう一度上石津を訪れてもらって,
茅場がどのように変わるのかを見てほしいものです。
刺し子体験 in 時山文化伝承館
2009.04.30 |Category …活動報告
今年度初の活動報告です!
2009年4月26日に刺し子体験イベントを行いました。
場所は,上石津の南,時山にある
時山文化伝承館です。
この日はあいにくの雨で
風も強く寒い日ではありましたが,
スタッフ2名,一般参加者9名と
多くの方に参加していただきました。
刺し子とは,山仕事の作業着を破れにくく頑丈にし,
また傷んだ作業着を補修する中で生まれた
山村ならではの刺繍です。
現在は,様々なデザインなども取り入れて
美しい刺繍となっています。
この日はまず,
緑の村公園の民俗資料館の見学から始まりました。
↑まずはみんなで自己紹介♪
屋根を一周ぐるっと見たり,
屋根裏に上がったりとじっくり屋根を見ました。
久しぶりに見た民俗資料館の屋根は
軒がますます下がっていて,
早く葺き替えをしないといけないと改めて思いました。
次はいよいよ時山文化伝承館で刺し子体験です!
到着すると,この日の講師である
時山さしこクラブの方たちが迎えてくれました。
この方たちは,20年ほど前からクラブをつくり,
昔から時山に伝わる刺し子の文化を守ってこられました。
館内には,ふきんや巾着,鞄,服などの作品が
展示されています。
さて,いよいよ作業開始です。
さらしの布を使っての花ふきん作りです。
今回はあらかじめ布に印刷された図柄に沿って
刺し子をしていきます。
↑作業開始!上手にできるかな~♪
↑先生に教えてもらいながら・・・
今回は,中学生のとき以来針を持ったことがないという参加者から,
普段からお裁縫をやってるよという参加者まで
様々な方たちにイベントに参加していただきました。
最初はぎこちない手つきだったものの,
途中からは慣れてきて
次第に作品らしくなってきました。
刺し子の魅力に引き込まれて黙々と作業をしたり,
先生たちとのおしゃべりを楽しんだり,
時間があっという間に過ぎていきました。
↑集中しすぎて無言です。
↑目が揃ってきれいです。
↑刺し子が終わったらアイロンをかけて・・・
↑完成~♪
今回のイベントでは,
山の文化である刺し子を体験しました。
昔の人が一針一針縫った暖かい思い,
山の生活の厳しさ,なにより刺し子の魅力を
実感することができました。
そして,これらの文化を守ってこられた
地元の人たちの地域への愛を感じることができた
一日であったと思います。
↑完成記念♪お疲れさまでした!
この後は,参加者全員で地元のご飯屋さんで
お疲れさま会です。
シカ,イノシシ,タヌキ,キジ,巨大エビ・・・
たくさんの山の幸をいただきました。
↑シカ鍋です~。
↑皆さんお疲れさまでした。
今回お世話になった時山文化伝承館です。
刺し子体験をしてみたい方は是非ご連絡を!
http://www5.ocn.ne.jp/~kamisyou/kanko/1_01.html
時山さしこクラブの紹介です。
http://www5.ocn.ne.jp/~kamisyou/shop/kyoudo/001/index.html
かろまい!!09 に参加してきました
2009.03.27 |Category …活動報告
藤田です。
2009年3月7日に
茅刈りのイベントに参加してきました。
場所は岐阜県各務原市にある河川環境楽園です。
園内に茅葺き屋根の農家が建っていて,
その屋根の材料を集めるために開かれたイベントです。
そのイベントの名前が「かろまい!!09」でした。
参加者は20名ほどで,
講師として京都の茅葺き職人さんが
茅刈り作業の指導をしてくださいました。
↑園内の茅葺き農家です。
まず職人さんから茅葺き屋根や茅場についての
お話がありました。
農業と茅葺きの関係や茅の資源循環,
茅場の自然生態系など
とても興味深いお話を聞くことができました。
↑真剣にお話を聞く皆さん
そしていよいよ茅刈りです。
今回は園内に生えているススキを刈りました。
茅場として管理されている訳ではないので,
刈り取った茅は曲がってひねくれたものばかりでした。
↑一生懸命刈りました!
↑束ねてもくねくねしています。
↑まっすぐな茅ゲット~♪
この日はおよそ200束の茅が収穫できました。
刈り取った茅束を保存,乾燥させるためにつくる
円錐状の茅の塔(地域によっては茅ニウという)を作り,
この日の作業は終了しました。
↑茅タワー♪
↑ちょんまげみたいです。雨が染みこまないように先を結びます。
今回のイベントを通して,
茅葺き屋根はそれ自身だけではなく,
地域と繋がって成り立っているということを
実感することができました。
様々な生き物たち,自然環境,農業,
そしてそこに暮らす人たちなど,
地域の様々な視点から茅葺き屋根を
見ていかなければならないと思いました。
来年の茅が楽しみです!
イベントを開催してくださった主催者の方々,
講師の茅葺き職人さん,ありがとうございました。
↑お疲れさまでした!
ちなみに,
春出かけのチガヤの根っこは甘くておいしいですよ~
冬の間,栄養を貯めこんでいるそうです。
↑チガヤの根っこ♪
当日、講師として来て下さった塩澤さんのブログにも、
イベントの様子が紹介されていますのでご覧ください!
◆茅葺き職人のブログ2◆
http://www.kayabuki-ya.net/notebook2/2009/12/0307_09_1.html
活動報告会 in 岐阜大学
2009.03.26 |Category …活動報告
2009年2月13日に岐阜大学にて
かみいしづ古民家再生プロジェクトの活動報告を行いました。
今回は岐阜大学応用生物科学部の学生と共同で
勉強会を兼ねて行いました。
「自然と共に暮らす in上石津」と題して,
プロジェクト学生代表の榎本淳が活動の内容を
お話しさせていただきました。
参加者はスタッフ2名と一般参加者6名でした。
今回の報告会に参加していただいた皆さんは
野生動物に関心がある学生が中心だということで,
資源循環や自然生態系などを関連させてのお話でした。
上石津の自然環境,プロジェクトの活動を通して出会った生き物たち,
茅の資源循環などを交え,とても新鮮な報告会でした。
↑報告会の様子です。
↑真剣に聞いてくださった皆さん。
↑終始和やかな雰囲気でした♪
報告後も様々な質問や意見が交わされ,
予定していた1時間半はあっという間に過ぎて
今回の報告会を終えました。
茅葺き民家や農山村での生活,文化体験と
生き物や自然環境の話を関連させるというのは
新鮮でとても面白かったです。
茅葺き民家だけでなく,
いろいろなことに興味を持った人が集まり,
上石津のことを様々な視点から調べていくことで
もっと上石津の魅力が引き出せるのではないかと思いました。
動物や植物の調査や畑の作物調査など楽しそうですね♪
↑苔むした茅葺き屋根
エネルギーを感じる茅葺き民家
2009.03.25 |Category …活動報告
2009年2月10日に
いつもお世話になっている杉山さんの
お仕事を見学してきました。
場所は金華山の麓にある一軒の茅葺き民家です。
岐阜城がきれいに見える場所にその茅葺き民家はあります。
太陽や風やいろいろなエネルギーが集まってくるような
そんな不思議な感じがする場所です。
民家は珈琲屋さんでもあり,
扉を開くと珈琲のいい香りがします。
毎日火が入れられているという囲炉裏はとても暖かく,
民家の周りの庭は季節の移り変わりを表すように
いろいろな植物が生い茂っています。
そんな民家での杉山さんのお仕事を
見学させて頂きました。
お仕事中にも関わらず,
たくさんのことを教えて頂きました。
↑青い空の下,杉山さんお仕事中です。
↑屋根の上からは金華山がよく見えます。
↑丸い屋根が素敵な民家です。
↑棟です。
葺き替えの材料の一部に古茅を使っています。
前述の通り,毎日火を焚いておられるので,
茅は煙で燻されて丈夫な材料となるのです。
↑色の黒っぽいのが古茅です。
カリヤスも使っていました。
細く,中が空洞であるので
はさみで刈られた屑がカラカラと
いい音を立てます。
↑カリヤスです。ススキよりもつやつやしています。
この日は,茅葺き民家から元気をたくさんもらいました。
人が集まり,地に根付いた茅葺き民家が
とても魅力的であるということを再認識したのでした。
↑正面から見た茅葺き民家
今回ご紹介した珈琲屋さん「珈琲屋 じゅらく」の
紹介はこちらです。
http://www.samu36.com/index.html